インターフェース技術のはじめ

マイコンの IO を使って機械を制御する.
マイコンの出力電力はたかが知れてそうなのは一目瞭然である.実際にデジタル IC は数 mA しか流れないのだとものの本には書いてある.(スペックシートを見ればきっと分かる.)

ディジタルIC回路の設計―実験で学ぶTTL,C-MOSの応用テクニック (CORE BOOKS)

ディジタルIC回路の設計―実験で学ぶTTL,C-MOSの応用テクニック (CORE BOOKS)

トランジスタ・オープン・コレクタ

で,素人にも分かるのは,外部に接続する,というか駆動したい装置の電力をスイッチするためには,マイコンが出せない,それだけの電流を流さないといけない.そこで使われるのが,トランジスタ・オープン・コレクタと呼ばれる回路で,トランジスタ(NPN型)のコレクタに何も接続しない回路である.
しかし,この回路ではコレクタ電流I_C1/h_{FE}の10倍くらいのベース電流I_Bを供給する必要があって,普通h_{FE}=100程度らしいので,I_C=0.5{\rm [A]}が必要な場合,
I_B = (I_C/h_{FE})10=50{\rm[mA]}
必要になる.当然こんなベース電流をマイコンから供給できる訳がないので,別な接続が必要となる.

ダーリントン接続

二つのトランジスタTr_1Tr_2を用意する.Tr_1のエミッタをTr_2のベースに接続すると増幅率はそれぞれのh_{FE}の積になる.したがって10,000倍の増幅率を得ることも容易になる.

ダーリントン・ドライバIC

ダーリントン接続トランジスタを IC 化した IC をダーリントン・ドライバ IC というらしい.例として TD62003AP があり,電流容量は500mA(Max)で,消費電力の最大定格が1Wだそうな.

リレー

さらに大電流が必要になる場合はダーリントン・ドライバICでリレーをドライブするらしい.ただし,機械接点なのでチャッタリング*1がおこったり,そもそも駆動が遅い等の問題があるようである.またリレーコイルの逆起電力があるのでサージ吸収用のダイオードが必要.

*1:接点の振動による波形の乱れ.これを抑止する回路(RC回路)などもあるが割愛.